楽器

元楽器屋ギター担当が説く、はじめてのアコースティックギターの選び方【楽器販売員の裏事情アリ】

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どうも、えんつばです。
「これからアコースティックギターを始める」
という方向けに、初めてのアコギの選び方を紹介します。

楽器屋でアコギ担当をしていると、初心者の方へアドバイスする機会が多くあり、中でも一番多かったのが「どうやって選べばいいんですか?」という相談でした。

僕自身も初めてギターを選びに行った時は、

  • ギターを始めたばかりでちょっとしか弾けない
  • メーカーはほとんど知らない
  • 聴き比べても音の違いが分からない

と右も左も分からない状態でした。

アコギに限った話ではありませんが、ほとんどの人がアコギについてまったくわからない状態で初めての1本を選ぶことになりますよね。

だからこそ、「ギター選びに失敗して後悔したくない」と迷ってしまうのだと思います。

そこで今回は、ギター未経験の初心者の方からよく聞かれていたことを踏まえて、はじめての1本を選ぶ基準についてお話しします。

楽器販売員の裏事情にも触れていくので、ぜひ参考にしてみてください!

初心者でも基準にできることとは?

「アコギ 初心者 選び方」などで調べてみるといろんな判断要素が出てきます。

  • 予算
  • ルックス(見た目)
  • 抱えやすさ(ボディ形状)
  • 握りやすさ(ネックシェイプ)
  • 音の響き
    etc…

この中で初めての人でも基準にできそうなのは、

  1. 予算
  2. ルックス(見た目)

この2つくらいではないでしょうか。

僕が初めてギターを選んだ時は、

  • 「予算」 … 5割
  • 「ルックス」 … 4割
  • 「抱えやすさ」「握りやすさ」「音の響き」 … 1割

大体これくらいの感覚で決めました。

「抱えやすさ」「握りやすさ」「音の響き」は、簡潔にまとめると「弾きやすさ」「音色」に関わってくる部分です。

初心者に「弾きやすさや音色」の違いはわかるのか?

冒頭でも話した通り、僕が初めてアコギを選びに行った時は、弾きやすさや音色の違いは全くと言っていいほど分かりませんでした。

なので、基本的には「予算と相談して、見た目で選ぶ」が判断基準になります。

しかし、ギターを購入する上でひとつだけ大切なことがあります。

購入する前に、わからなくても、とにかくアコギを持って構えてみるということです。

ひとくちに「アコギ」と言ってもいろいろな姿・形があって、ボディ(抱える部分)の形ひとつとっても、とあるメーカー1社だけでも6種類もあります。

いろんなタイプのアコギがあるので、残念ながら自分に合わないギターというのが存在します。

最初に自分に合わないギターを選んでしまうと、上手く弾けず「自分にはギターは向いていない」と錯覚して、挫折してしまいますよね。

そうならないためにも、一度アコギを構えてみてから選ぶことが非常に大切です。

確認するポイントは

  1. 右手を上下に動かしても腕は窮屈ではないか?
  2. 左手は握りにくくないか?

この2つだけです。

わからない前提で構えてみて、なんとなく「抱えやすいな〜」とか「握りやすいな〜」、「音いいかもしれないな〜」と感じたギターを選びましょう!

はじめてのアコギの予算の決め方

ある程度予算を決めないと、候補が多すぎて選べなくなってしまいます。

参考として楽器屋で働いていた時、ギターレッスンに通っている方から「先生に5万円以上のギターを選んでと言われた」とよく聞きました。

ギターの先生にとっては5万円以上が安心できる価格帯のようです。

実際、はじめての人が購入する価格帯で圧倒的に多いのは3〜6万円のアコギで、中には約15万円〜20万円クラスのギターを選ばれる方もいました。

選ぶ価格帯でどのような違いがあったのかを振り返ると、「ギターを始める理由」が予算を決める判断材料として挙がってきます。

ギターを始める理由が「趣味で楽しむため」か「プロになるため」のどちらかの違いです。

「趣味で楽しむため」の場合は3〜6万円が多く、「プロになるため」の場合に15万〜20万円を選ぶことがある。といった印象です。

逆の「趣味で楽しむため」の人が15万〜20万、「プロになるため」の人が3〜6万円のギターは選ばないという話ではないので、基本的には自分の予算内で決めればOKです。

ちなみに僕の場合は、当時「将来シンガーソングライターになりたい」という理由でギターを始めましたが、購入したギターは約5万円のアコギでした。

そのアコギは気に入っていて今でも大切にしているのですが、「もっとプロが使うような高価格帯のギターを買っておけばよかった」と後悔しました。

最初は低価格帯のギターで始めるのはいいのですが、いずれ買い替えることを視野にいれながら選ぶことをオススメします!

注意点としてアコギ本体だけではなく、音を調整するチューナー手入れ用品など、ギターに必要な周辺アクセサリーも買い揃えることを念頭に入れておきましょう。

多く見積もって大体2万円くらいで考えておくと余裕ができます。(たぶん2万円もかかりません)

  • アコギ本体 + 2万円 = 自分の予算

となるイメージで購入するギターの値段を決めましょう!

初心者でも分かるアコギの金額による違いとは?

アコギの金額の違いは主に木材構造など「アコギの作り」なのですが、わかりやすいのは製造国です。

低価格帯は中国産(Made in Chaina)がほとんどですが、15万円〜20万円のギターは、国産(Made in Japanを手に入れられる価格帯です。

そしてギターの本場アメリカ産(Made in USA)となると約30万円以上になってきます。

製造国でギターの良し悪しを区別するものではありませんが、中国産は大量生産されているので値段も手が出しやすくなっています。

あまり予算をかけられないなら、3〜6万円以上ならしっかりと作られているので、大量生産といえどはじめてのギターとしては申し分ありません。

対して、国産やアメリカ産のミドル〜ハイエンドモデルは手作業(ハンドメイド)で作られる工程が加わってくるので、それなりの値段になっています。

作りはより丁寧で弾きやすい加工が施されていたり、見た目も華やかになってきます。

同じモデルでも1本1本音の違いが出てくるのも選ぶ醍醐味ですが、よっぽどこだわりがなければ、店頭価格で50〜60万円くらいまでを上限の目安にしましょう。

50〜60万円以上の価格になると、装飾(見た目)希少価値による値段の違いになってくるからです。

以上のことを踏まえて、大体の予算が決まったら最終的には見た目で気に入ったものを選びましょう!

楽器屋さんはなぜ高いギターをすすめるの?ノルマがあるから?

楽器屋さんにギター選びの相談をすると、高確率で予算より高いギターを勧められます。

「商売なんだから当たり前」と言ってしまえばその一言に尽きますが、実際にどのような心情で楽器を販売していたかについて暴露します。

まずは最初に、「ノルマがあるのか?」という話ですが、個人売上というものはありましたがノルマはありませんでした。

厳密に言えば、社内での評価に関係してくるので、全くないとは言い難いのですが「〇〇万円売るのが最低条件」のようなノルマや歩合報酬などもありませんでした。

ではなぜ高いギターを勧めるのかということですが、大前提として「よりいいギターを知って欲しい」「よりいいギターを所有して長く使い続けて欲しい」という気持ちがあります。

つまり、よりいいギターを紹介しているという感覚です。

それが結果的に勧めていることになってしまいますが、その場では購入に至らなかったとしても「将来いいギターを持ちたい」と思って貰えればそれでいいというスタンスです。

音楽を長く楽しんでもらうためにできる限りのお手伝いをするというのが、楽器販売員としてのミッションでした。

時には「売りつけようとしてるだろ」とクレームを頂いたこともありましたが、ほとんどの楽器屋さんは高いギターを「売りつけよう」なんて思っていないはずです。そうであって欲しい

とはいえやっぱり個人売上は気になるので、相談に乗ったお客さんが後日、自分の不在時に来店し他のスタッフから購入していた時はとても悲しい気持ちになっていました。

相談していたお店で購入するなら、相談に乗ってくれた店員さんの名前を出してその人から買ってあげてください!

続けられるかどうかわからないので安いギターでもいい?

アコギは1万円前後のものあるので、初めてだから安いギターにしようと考えがちです。

楽器屋で働いていた時も、
「続けられるかどうかわからないから最初は安いやつでいいよね」
と言われることがありました。

楽器販売員という立場ではなかなか「No」と言い出しづらいのですが、本音は「どれだけ安くても3万円未満のアコギは選ばない方がいい」です。

1万円前後くらいの激安ギターは、楽器として必要最低限の作りで、大量生産のできるだけ安くしている価格帯です。

「予算」と「見た目」だけで考えると一見よさそうですが、細部の作りの違いで初心者では感じにくい「弾きやすさ」で差がつきます。

あたりまえですが、初心者だったら「弾きやすいギター」を選んだ方がいいですよね。

仮にギターを続けられたとして、買ったギターが激安だったら絶対に買い替えることになるので逆に高くつく可能性大です。

「とりあえずやってみたいだけだからなんでもいい」という場合は、ギターを購入するよりも誰かに借りることを考えた方が堅実です。

実は僕が初めて手にしたギターは、父親の実家の物置に埋もれていたアコギを譲り受けたものでした。(※父はギター弾けません)

しかし、今だからこそわかることですが、弦高が高く弦を押さえるのに力が必要で弾きづらいアコギでした。(現に弾けずに一度挫折しています)

最近のモデルだったら、「弦高が高くて弾きづらい」というアコギはほとんど見かけませんが、ちょっと昔のモデルだと弦高が高いものがあります。

いちばん安心できるのは弾きやすい最近のモデルを借りることなのですが、そこにこだわってしまうとあてがなくなってしまいますよね。

コストを抑えて最初から弾きやすいギターで練習したいけど、続けられるかどうかわからない!」という場合は、アコギのレンタルサービスを利用するのがオススメです。

月数千円程度から借りられるので、激安ギターを購入するよりも遥かにおトクで安心です!

まとめ

はじめてのアコギを選ぶなら、

  • わからない前提でギターを手に取って構えてみる。
  • 最終的には予算と見た目(ルックス)重視で決める。
  • 安くても3万円以上のアコギを購入する。

この3つを基準に決めましょう。

続けられるかわからない場合は誰かに借りるという選択肢もアリなので、ギターのレンタルサービスもオススメです!

ギターは長く続けられる趣味にもなるので、満足のいくアコギに出会えるようにしっかりと選びましょう!

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